【一般社団法人 関西ペット協会】
ペット社会を良い方向に進化させる取り組みを私たちが関西から発信する
「譲渡して終わり」じゃない
譲渡から始まる飼い主とのコミュニケーション
藤波 うちにも犬が7匹いてね。前は9匹だったけど。
刀谷 ブリーダーみたいですね(笑)。
藤波 ペットは「かわいい」だけで飼うのはね。ちゃんと責任を持って飼わないとね。
刀谷 おっしゃる通りです。
藤波 譲り渡した途端に音信不通になっちゃった話もよく聞くんだけど、それじゃあ心配になるよね。
刀谷 見えないところでは譲り受けたペットを虐待する話もよくあります。
藤波 こちらでは、里親になった方とそのあともコミュニケーションを取ってるんですよね?
刀谷 はい。譲渡してからが啓蒙活動についてしっかりできるスタート、と考え連絡は嫌がられないような形でサポーターとして頑張っています。
藤波 具体的な活動は?
刀谷 例えば里親になりたい方を見つけて、ある程度のコミュニケーションが取れたらお渡しをします。後日、仲良く触れ合っているところを写真や動画でいただいているんです。あとは自発的に連絡が貰えるような仕組みもあります。去勢手術をした場合などは協会が半額補助などいろいろあるので、里親さんになった方から連絡が入ります。
藤波 定期的なコミュニケーションが必要だよね。
刀谷 今年は、そういった志のある方々の本を出版しようかと。
ボランティアではないからこそ「法人格としてできること」をやっていく
藤波 協会として、大事にしていることはありますか?
刀谷 やはり「命の大切さ」でしょうか。そこからすべてが繋がっているかな、と。
藤波 殺処分はつらいよね。
刀谷 殺処分ゼロは、あくまでも前提です。ボランティアで「命を助けます」ではどうしても存続は難しくなりますから。
藤波 確かに限界はあるよね。
刀谷 資金力も必要です。今は拠点の被災地神戸から、万が一の時のペットとの避難を考え、防災備蓄の缶詰を高知で作って、資金化しています。缶詰は人とペット両方がセットになっています。その他得意分野のデザイン(WEB制作やパッケージ等)、企画開発などで活動資金を作っています。漫画家の先生たちとのコラボ商品開発も面白いです。
藤波 お金の問題は、こういった活動から切り離せませんね。
刀谷 そうですね。ペットを保護できる施設の建設を予定していますし、ペットのための貯金「ペット信託」なども整備しています。
藤波 自分たちにできることをしていこう、ということだね。
刀谷 譲渡前に最低限の注射や病気の治療費、お金は絶対にかかります。それを補うためには売上が必要ですから。
藤波 補助金に頼らず、自分たちでやろうという姿勢がありますね。
ペットと飼い主の安心を繋ぐ拠点になるために協会の中・長期展望に注目
藤波 関西の協会ならではのことはありますか?
刀谷 ペット関連のサンプルを置いていますが、譲渡会などで、やっぱり関西の方は面白いですね。情が厚いというか。
藤波 絶対に来てくれる?
刀谷 それもありますし、「近所の人に渡したいから、もらっていくわ」とか(笑)。
藤波 サンプルを見ていると、紹介したいものがいっぱいあるね。
刀谷 うちの協会の理事のなかには、ペット・ロスで悲しまれている方の癒しをしている人もいますね。今度お寺で講話もスタートします。
藤波 なるほど。うちも愛犬がいっぱいいるけど、それでも1匹亡くなっただけで喪失感は大きいよね。
刀谷 悲しみを癒してもらって、また新しい子を愛してもらえるのが一番です。
藤波 今後の展望はどんなものですか?
刀谷 短期的には年内に缶詰とペット信託は実現したいです。売上を出しつつ、より支援を高めていきたいです。
藤波 将来的には?
刀谷 譲渡会会場やグッズ販売、ドッグ・ランの併設があって、このほかに心に悩みが重くのしかかって学校にいけない子供たちも、小さな命の世話をしながら自分を取り戻して行ってもらえたり、命の大切さが伝わる施設づくりを目指したいです。
藤波 ペットと飼い主が安心できる拠点として、発展を期待しています!
[ Dragon Point ]
以前、殺処分をしている保健所に訪れたことがある。そこで感じたのは、そこで働く人たちも動物に愛情を持っている、ということだ。彼らが言うには「我々も好き好んでやっているわけではない。本来は飼い主の責任なのだ」とのこと。今回の取材も含めて、改めてペットを飼う人間としての責任と姿勢を考えさせられた。
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一般社団法人 関西ペット協会
代表理事 熊沢明子
理事 刀谷 誠
兵庫県神戸市長田区大橋町5-3-1-217 マスタプラザイースト
TEL. 078-798-5477
http://petinformation.jp/
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