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13号紹介

【北海道曹達株式会社】
化学の力で地元北海道に貢献する

生活に欠かせない塩から作られる化学製品

 「ソーダ」と聞くと炭酸飲料が思い浮かぶが、ここでは学生時代の理科の実験を思い出してほしい。塩を電気分解すると「苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)」「水素」「塩素」の3つに分解される。この3つの物質と、これらをさまざまに掛け合わせて作る化学製品が北海道曹達の主要製品だ。塩はオーストラリアやメキシコから大量に輸入され、不純物を取り除いたのち、電気分解にかけられる。例えば塩素と水素で塩酸、苛性ソーダと塩素で次亜塩素酸ソーダなどだ。

 聞きなれない物質ばかりだが、実は生活に密着したものが多く、特に重要なのが、工業用、一般用ともに水道水を殺菌浄化する次亜塩素酸ソーダで、安定供給が必須である。ほかにも、アルカリでごみを取りたいなら苛性ソーダ、酸で洗いたいなら塩酸と、物質の特性によって使い道は多岐にわたる。ただし、強いアルカリや酸を使用した場合は、そのまま廃棄できないので、環境のため、必ず反対の性質の薬剤を混ぜ、中和してから流すため、両方の性質の薬剤が必要となる。


製品の安定供給こそが最大の使命

 戦後間もない1949年、基礎的な生活必需品を確保するための「道産」として、北海道曹達は生まれた。化学製品であるため長距離輸送に向いていない反面、基礎的な生活必需品でもあった。当時北海道に生産拠点がなかったため、道庁の指示のもと工場が作られた経緯がある。現在は、民間企業ではあるが、安定供給が必須であるため公共的な要素が残っている。北海道で盛んな林業・製紙業界において、紙パルプの漂白に苛性ソーダが使われ、また農業分野ではビート大根から砂糖を抽出する際には苛性ソーダが使用される。他にも廃水処理や土木工事、雪の多い北海道では除雪の場面でも、同社の化学製品が不可欠である。災害時には、水道水確保のため工場にいち早く電気を送り、薬剤の安定供給を堅守するように国や道から指示が出ることが想定される。当たり前に使っている水道水、生活用水、工場用水の舞台裏には同社の惜しみない努力があるのだ。


蓄積された技術で地元産業の役に立つ

 生活に欠かせない化学製品を製造する一方で、安定供給のためには会社としての基礎体力を保たなければならない。そこで同社では、20年前から大学などの研究機関と共同で新規事業の研究開発と実証試験を行っている。

 例えば、北海道の主要産業の一つである水産の分野では、カニを加工する際に残る大量の殻を引き取り、有効成分であるキトサンを生成。酸とアルカリの技術を使って、化粧品やヘルスケア商品に転換している。加工業者は通常カニの殻を有料で廃棄するため、再利用が可能となれば非常に喜ばれる。化粧品に関しては、社内で女性チームを作り、含有成分やパッケージの見直し、消費者目線でのマーケティング戦略などに取り組んでいる。化学メーカーであるため、何よりも安全と環境に配慮し、公共性の高い企業として北海道の将来のために役に立つことを模索している。

 「当社が最も重要視していることは『安定供給』です。新規事業のアイディアを大きく育て、基盤をより強くすることで未来にも安定供給を繋いでいきたい。」と奥野氏は話してくれた。

 

[ Dragon Point ]

北海道曹達では、普段は一般消費者に知られていない会社の役割を地元の人々に知ってもらうため、また地域貢献のため、広大な敷地を利用して野球場やテニス場を運営している。地場産業として地元での知名度が、会社として地域の役に立てる第一歩につながっている。


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北海道曹達株式会社
代表取締役社長 奥野 宏之
北海道苫小牧市沼ノ端134番地122
TEL. 0144-55-7862 FAX. 0144-55-7155
http://www.hokkaido-soda.co.jp/

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