【株式会社オリジン・エンタテインメント】
大きな障害を持ってなお
業界を前線で牽引する
奇跡の復活は仕事と
仲間のおかげだった
小橋 こちらは映像やイベントの制作会社になるのですね。
大西 テレビから企業のPVまで幅広く担当しています。もともと芸能業界が長く、2012年に独立してからも大手のメーカーやネットTVなどと多数取引させていただいております。
小橋 左片麻痺を抱えながら、お仕事をされていると。
大西 2016年5月に突然倒れたのです。動くことが難しい状態で、病院のベッドの上に2カ月・・・。するとクライアントさんが、「車椅子でも構わないから、大丈夫なら会議に来なよ」って。
小橋 暖かい言葉ですね。
大西 その人には助けられましたね。結局、私には仕事しかなかったんです。現在も車椅子生活で、時に杖も使いながら働いてます。
小橋 こういう状況になってから、何か変わりましたか。
大西 大きく変わりました。あれから、感謝の気持ちをもって仕事をするようになりました。人とものづくりをすることが改めて好きだと痛感。クライアントや制作チームもお金でなく、人柄を重視するようになり、いい人たちに恵まれました。
小橋 私もガンになって12年ほど経ちますが、周囲に助けられました。
大西 色んな人が励ましてくれました。時にはトランスジェンダーの友人たちが病室に来て、「大丈夫!私たちも手術をすると大変なの」と激励されたことも(笑)。支えになりました。誰も私がここまで回復するとは思ってなかった・・・。
小橋 障がい者のための社団法人をつくられたと。
大西 この身体になって気づいたことがあるんです。私のように車椅子に乗って映像の現場に来る人はいない。職業選択の自由はあるのかと…。
小橋 大西さんだからこそ、できることに気付かれたのですね。今後も第一線で頑張ってください。
[ Column ]
大西さんは左片麻痺で多くを失ったように思えたが、その時に足ることを知り、人への感謝が生まれたのだという。昔はテレビ業界にありがちな、人を怒って育てるタイプだったが、病をきっかけに、「人に優しい人間になりたい」という夢を持った。そう願って生きるうちに取引先も制作チームも人に恵まれるようになりました。
[ Tetsujin Point ]
私のガンの経験をよく知っていてくださり、これもご縁だから、お話ししてみたいと思ってくださり、今回のインタビューが実現した。病名は違えども、病で人生が変わった者同士。大西さんと話していると、心が動いた。
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株式会社オリジン・エンタテインメント
代表取締役社長・プロデューサー兼演出家 大西 裕治
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