株式会社クラムハウス一級建築士事務所
極小敷地に刻む極大の思想
「制約」を「美学」へ変える

空間の限界を突破する
構造と意匠の高度な融合
吉岡 本日は笠井代表の自邸に伺い、限られた敷地とは思えない開放感と静謐さに驚きました。
笠井 東京都世田谷区にあり、土地36平米、建物21平米という、都内でも極めてタイトな条件下にあります。8年前に独立を決意した際、自らの挑戦としてこの狭小地での設計に1年を費やしました。住宅設計の経験はまだ浅い時期でしたが、周辺との見合いや眺望を考慮した窓や階段配置など、数えきれないほどのパターンを検討し、実体験を通じて知見を得ることに腐心したのです。
吉岡 螺旋状の階段が空間の主役として、移動手段を超えた美しさを放っていますね。
笠井 外周を巡るように階段を配置し、窓やトップライトを階段に面して多く設けました。また、各階の階段上部を吹抜とし、垂直方向の視線を繋ぐことで視覚的な広がりを追求しました。一方で、非対称な階段や窓の配置による構造的な脆弱さを補うため、柱は通常より1.2倍太くし、本数も増やすことで、外殻を鳥かご状に固めて強度を確保。手すりには特注の滑らかなステンレスを採用。その結果、上下の移動がスムーズで、とても快適に過ごせています。
吉岡 独立後、数多くの住宅の設計を手掛けられているそうですが、仕事への向き合い方に変化はありましたか。
笠井 昨今、首都圏では、利便性が高い立地の狭小住宅のニーズが高まっています。これまでハウスメーカーの案件に参画し、スタッフや各分野の専門家と協働して100件以上の設計に従事しました。実務においては、空間を広く感じられる工夫をなるべく随所に施し、周辺環境を最大限に生かした快適な空間を提案しています。
吉岡 建築家としてのプライドを持ちつつ、周囲を頼る謙虚な姿勢が印象的です。笠井 自分の専門領域の狭さを自覚しているからこそ、デベロッパーや施工会社の知見を尊重し、学び続ける姿勢を大切にしたいと思っています。また、自宅が狭いからこそ、お客様の住環境へのこだわりや、その土地の価値を理解し「全ての住宅は邸宅である」をモットーに、豊かな空間を創造し続けたいと思います。
吉岡 笠井代表が紡ぐ、これからの「都市住宅」の進化が楽しみです。

[ Point ]
笠井代表の設計には、制約を嘆くのではなく、それを「個性」へと昇華させる強固な意志があります。謙虚な語り口に、プロとしての揺るぎない矜持と、都市生活への深い愛着と美意識を感じる豊かな時間を過ごしました。ありがとうございます。
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株式会社クラムハウス一級建築士事務所
代表 笠井 誉仁
東京都世田谷区深沢5-8-6-6
TEL.03-6875-5256
https://www.cramhaus.com
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