伊映画監督ヴィットリア・コロンナ独占インタビュー
芸術が人生か 人生が芸術か

―カラフルで美しい髪ですね
私が監督した『サンドボーイ』は色のない世界でした。この映画は私自身のつらい経験を投影したものですが、作品を撮り終えて、自分が解放されたと感じました。そこで、人生を祝福しようと髪を染めたのです。暁の色が好きです。朝日、夕日のすべてが含まれていますから。
―『サンドボーイ』は悲しい映画でした
この映画製作によって人の手助けになりたいと願いました。私のように心を解放するきっかけが与えられたらと。人間は一人で生まれてきて、一人で死んでいきます。でも本当は、大宇宙の一構成物ですから、私達はあなたがたと繋がっている。みんなひとつなのです。
―争いの絶えない世の中です
今の世の中はテレビやネット、ラジオと余計な情報があふれています。あれが足りない、これがほしいと苦しみます。でも、私は気付いたのです。自分が自分に誠実であれば人に対して、そのように接することができる。私達がどのように生きたいか自分の選択によって選ぶことができます。私は天国を見たい。なぜなら、私達はすでにエデンの園を見ているのです。
―パフォーマーとしても活躍されていますね
私は女優でもあり、歌も歌います。絵画製作、デザイン、パフォーマンス…。結局のところ私は私自身であることで、自分を通じて表現する人、つまりアーティストに他なりません。
―芸術家とは何ですか
今回は日本の舞踏家と踊るという重要な経験から、インスピレーションを得ることができました。今後は世界のアーティストを巻き込み、フィレンツェや日本でイベントを開催したいです。私は自分を解放していくことがアーティストの仕事そのものだと感じています。時折、「芸術家は何の役に立つのか分からない」と言われますが、私達の職業は、医師や警察の仕事を減らす重要なものです。
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【写真】米国カリフォルニアのとある砂漠を背景にした喪失と贖罪の映画『サンドボーイ』。初監督作品にして国内外で高い評価を得た
【写真】パフォーマーでもある監督は日本でも積極的に文化を吸収。京都の舞踏家とコラボレーションし、共同作品を創作した
