【医療法人 交友会 原田耳鼻咽喉科医院】
補聴器医療に取り組む先駆者
聴こえを研究するクリニック

無垢板の検査テーブル　どこにもない癒しサロン

藤波　木のぬくもりが感じられる優しい空間。クリニックとは思えません。
原田　検査機器が並ぶ中で、患者様に緊張をほぐし、リラックスして過ごしていただきたいと。
藤波　線路傍の立地なのに、静かですね。
原田　窓はすべて二重サッシで防音。壁にも防音ボードを入れています。各部屋にカメラを設置し、安心して治療できる空間を実現しました。珍しい補聴器外来の構造や設備を視察に来る関係者も多いです。
藤波　半年先まで予約がとれないほどの人気とか。
原田　『聴こえ外来』は日本ではまだ珍しい診療科です。2016年に日本一の症例を持つクリニックとして、新聞掲載されてからは、さらに患者様が増えました。院内を拡張、言語聴覚士7名体制でサポートし、認定補聴器技能者数も増やしていますが、患者様の数に追い付きません。
藤波　高齢化が進むなか、「聞こえにくい」という悩みを持つ方は増えていますね。
原田　当院では、医療の問題として、時間をかけて聴こえを調整していきます。そこが、補聴器を販売店で購入する点と大きく異なります。

補聴器外来の重要性　自分にぴったりの器機

藤波　そもそも、なぜ先生は耳鼻科のドクターになったのですか。
原田　大学の頃にオーディオに凝りました。音に関わる診療科がいいと希望しましたが、やってみたら聴覚医学領域の聴覚心理学があまりに複雑なので後悔しました（笑）。
藤波　「耳鳴り」に関する論文を執筆されていますね。
原田　「耳鳴り」の問題は、「聴こえにくい」悩みと密接に関連します。補聴器で耳鳴りを和らげることができることをもっと知ってほしいです。
藤波　病院では補聴器を選ぶために、なぜ時間をかけることができるのですか。
原田　それは仕組みの問題です。販売店では数を売らなければ経営が成り立ちませんが、病院は『補聴器適合検査』として診察料で運営できます。無理に売る必要がないので、ゆっくり取り組めます。中には半年かけて選ばれる方もいますよ。
　時間をかけると補聴器がフィットする確率が上がります。衰えていた脳の情報処理能力が補聴器のリハビリ効果で活性化され、話が聞き取れるようになります。

良く聴こえるおかげで
交際が発展しました

藤波　耳が不自由だと、コミュニケーションができなくなり、他の機能も衰えますね。
原田　面白いことに、若い方の聴こえの問題が解決すると、恋人とうまくいくようになり、結婚なさることが多い。これまで何人もの患者様が結婚されました。高齢者の方も失われていた能力が回復すると、明るくなります。コミュニケーションにおいて、聴覚が担っている役割は大きいのです。
藤波　補聴器も昔に比べたら随分と向上しているのでしょうね。
原田　ハウリング抑制、風切り音抑制など、雑音のキャンセル機能は日々改善されています。
　当院はヨーロッパメーカーの最新機種を始め、各補聴器メーカーの機種を網羅しています。試して合わないときは、機種を変えて試すことができます。オーダーメイドの補聴器も一定期間試すことができます。
藤波　将来の構想を教えてください。
原田　より多くのクリニックに補聴器外来を普及することに尽力したいと考えています。『インプラント』や『入れ歯』と同じく、補聴器が高度な医療器として扱われるように、全国の患者様のために取り組んでいきます。
藤波　本日はありがとうございました。

　

［　Dragon Point　］
私も耳鳴りで悩んでいるのだが、補聴器と耳鳴りの関係を知って驚いた。私たちは補聴器や聴こえの問題について、あまりにも知らない。関東でも「補聴器外来」という診療科の看板はほとんど見かけない。明るい日本の未来のために、もっと広まってほしいと感じました。

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profile
1982年 近畿大学医学部卒業
近畿大学医学部附属病院耳鼻咽喉科学教室入局
1991年 近畿大学医学部附属病院退職
1991年 原田耳鼻咽喉科医院開院
2006年 近畿大学医学部　非常勤講師

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