株式会社深川硝子工芸
器で飲み物の味が変わる
2色が織りなす小樽切子
世界にここだけの
伝統技術を見つめる
藤波 世界に誇る「小樽切子」は2色のガラスが混ざりあうんだね。
出口 これは菊籠目という伝統の文様が入ったグラスです。内側と外側を違う薄い色の2層になっているのが分かりますか。表面から削って模様をつけていくと、もう一つの色が浮き上がって美しい色合いになります。これらのグラスは、伝統と革新の手法で、1点ずつ仕上げています。
藤波 深川硝子の「小樽切子」は「江戸切子」とは違うのですか。
出口 ルーツは江戸切子にあります。当社は東京の江東区で創業され114年を迎えます。17年前に硝子で有名な小樽に移転し、伝統を守りながらも独自の表現を模索してきました。
藤波 どのような商品があるのですか。
出口 一般的なグラスや、特注の大皿や花瓶、企業の記念品やOEMも賜っています。私たちは手作業で吹きガラスを作り、特別な形を形成していますが、こういった技術を持つ硝子の工場は平成に入り、何十社となくなりました。そのため、特別な注文も集まります。
藤波 コロナの影響はどうですか。
出口 本来は繁忙期のはずでしたが、小樽の土産物関係が軒並みダメになり、厳しい状態です。今は職人たちのために窯を開放し、毎日、研鑽し、実験して技術を磨く創作期間としています。ここで踏ん張ることで来年、再来年花開くと信じています。
藤波 工場を見学して、皆さんの情熱に打たれました。この力が「小樽切子」を世界に羽ばたかせますよ。
[ Column ]
職人達は1,500℃にも達する窯の中で硝子を吹き、それをゆっくり冷ましながら形を整えていく。「小樽切子」はさらに形作られたクリスタルグラスに対して一つ一つ円盤状の刃にガラスを当て、その表面に美しいデザインを刻んでいく伝統技法である。モノによっては半年〜1年の時間を要することもある高級グラス。特別な色と色との組み合わせ、濃淡、見事な美しさは、日本でも、ここにしか存在しないと、高い評価を得る。小樽切子はネットショップで1万5千円程度からお買い求めいただけます。
[ Dragon Point ]
ついつい見入ってしまうグラスだが…、その裏側の凄味ある作業を知って驚いた。ひとつぐらいこういうものを自分の宝≠ニして持っておきたい。
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株式会社深川硝子工芸
代表取締役社長 出口 健太
北海道小樽市有幌町2-3
https://fukagawaglass.co.jp
■オンラインショップ
https://fukagawaglass.shop
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