インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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36号紹介

株式会社福菱/かげろう
和歌山のお土産『かげろう』の美味は
従業員の仲良さが作り出しています

満月もいつかは欠ける
守りは衰退≠ニ温故知新1


藤波 『かげろう』というと、和歌山県土産の定番ですが、創業はもう古いのですか。
福田 当社は昭和8年に創業しました。創始者の祖父は、近隣の名産であった柚を使ったお菓子『柚もなか』を作りました。当店で最も知名度のある『かげろう』は、子供からご年配の方々まで安心して食せるお菓子を作ろうと、父親である先代が3年かけて開発し、私の生誕と同じ昭和42年4月に生まれました。
藤波 福田さんが後を継がれて改革に着手されたと。
福田 私は平成16年に大阪から帰郷しました。経営の先輩方から「満月もいつかは欠ける」という言葉を教わり、好調に胡坐をかいてはならないと自らを戒めていました。代々守ってきたこの『かげろう』を残さなければとの思いから、『かげろう男爵』、『生かげろう』、『アイスかげろう』といった新商品を作り、平成28年に『Kagerou Café』をオープン。また、「白浜のかげろうではなく、和歌山のかげろうにしよう」と決め、認知を広げています。経営は一瞬でも下がるといけません。常に上昇するためにどうすればいいか…。私は旅をしていても、テレビを見ていても、事業のことを考えてしまいます(笑)。
藤波 それは職業病ですね(笑)。

代々続く「従業員様は宝だ」
創業家が守ったのは人財


藤波 百貨店への店舗出店などは控えているとお伺いしました。
福田 お声がけはいただきますが、物産展などにとどめております。ひとつは土産菓子としての勝算はあるが、一般のスイーツとして巨大市場で戦えるのかという懸念が理由です。もうひとつは、私は会社を継いだ時に会社を大きくせずに、太くする≠ニ決めたことにあります。店舗拡大の資本力は大きな負担です。まず、現状で、できることを選択し、従業員に還元し、三方良しを守りたいと。おかげで当社は税理士に驚かれるほど、利益率の高い会社に成長させていただきました。
藤波 拡大路線より、従業員への還元を優先したいと考える理由は何ですか。
福田 祖父母や母からずっと「従業員さんは宝や」と言われ続けてきました。遡ると、私が自転車を手に入れたのは他よりずっと遅い小学4年生の時でした。母から「私たちが生活できるのは従業員さんのおかげ、従業員のお子さん皆が自転車を持つまで、あなたは持てないよ」と言われていました。父からも「海で従業員のお子さんと共に溺れたら他を先に助けるから、泳げるようになっておけと(笑)」。それほど徹底して従業員を大切にする信念なのです。
藤波 それが今も受け継がれているとは!

会議も開発部もなし
すべて飲みニケーション


藤波 この会社で勤められる従業員の皆さんはしあわせですね。
福田 当社の誇れるところは仲の良さ≠ナす。もちろん商品にも自信はありますが、それは全国皆さん様々な工夫をなさっているでしょう。しかし、当社ほど仲の良いところは珍しいかと。製造から販売の方まで約50名、中には勤続50年を過ぎる方もいますが、皆さん、一人一人の人生を大切に思っています。
藤波 開発などはどのようになさるのですか。
福田 当社には開発部も会議もありません。会社運営は、まるで部活をしているような感覚で、物事は飲みニケーション≠ナ決める。私が父親か兄で皆が子供といった様子で、社員は家族なのです。お陰様でここ10年で売上は3倍に増えました。そこで、カフェのできた年には、 新年会に礎を作った従業員のOB・OGの方々を、感謝の気持ちを込めてお招きし、カフェなど見ていただきました。おばあちゃんたちが泣いて喜んでくださって、私も嬉しかったです。
藤波 お土産の『かげろう』がずっと愛される理由が分かるようです。
福田 当社が、温故知新で新しい取り組みをしても店舗拡大をしない一番の理由は、社員のしあわせを脅かさず、守るためです。企業は人なり=Bそこにいる人がしあわせであれば、すべてはついてくるのだと思います。
藤波 仰る通りですね。今日はいいお話をありがとうございました。

 

[ Column ]

カフェから眺めるエメラルドの美しい海は、もともと地元民にとってはありふれた避難港。カフェにテラスを作る発想に周囲は驚いたそう。福田さんは「水平線でない海と山と漁船がこんな近くに見れるのはそうない」と言ったそうだ。カフェで提供するお菓子は『生かげろう』。従来、日持ちを重視していた土産菓子だが、ここでしか食べれないご当地スイーツを作ろうというアイデアだった。

[ Dragon Point ]

『生かげろう』をいただきました。ふんわりしたエアリーな生地にさっぱりした甘さの生クリームのマリアージュが抜群。マンゴー、抹茶、レアチーズなど季節ごとに味変メニューが登場するそう。さっぱりしたレモン味は思わずもう一つと注文してしまう軽やかさ。新作コーヒーゼリーのほろ苦さはクセになる!

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株式会社福菱/かげろう
三代目代表取締役 福田 裕希
和歌山県西牟婁郡白浜町1279-3
TEL.0739-42-3128
https://www.fukubishi.co.jp

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