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39号紹介

公益社団法人 益田市医師会立
益田地域医療センター医師会病院

地域資源の連携でオンリーワン
益田地域医療を支える独自展開

海沿いのリハビリ施設
地域連携医療の体制拡張


藤波 島根県益田地域の医療を支える地域医療支援病院とのことですね。
狩野 当院は1986年に130床の一般病棟から始まり、時代と共に機能を拡張しました。1996年には老人保健施設が誕生。介護保険制度がスタートした2000年に介護療養型医療施設を含めた『ふたば棟』、2004年に『リハビリテーションセンター』。2015年には『地域包括ケア病棟』が生まれました。
藤波 リハビリテーション施設について教えてください。
狩野 当初、近隣エリアにリハビリ施設がないとのことで、島根県からの強い要望を受け、回復期を支える総合リハビリテーション施設を設立しました。センター4階のリハビリルームはガラス張り。窓から望む日本海が美しい空間です。
藤波 これほど機能が集約している機関は、珍しいのではないでしょうか。
狩野 はい。時代と共に『介護医療院ふたば』『介護老人保健施設くにさき苑』など個々に機能が増えていきましたが、当然それらをまとめる必要も出てきました。当院には在宅医療・訪問診療機能もあり、入所と在所についてもそれぞれ管理しなくてはなりません。そこで、人材を集約し、『地域医療介護連携統括部』が誕生したのです。この部署は当院内だけではなく、広域の医療機関や施設とも連携をとる役割を果たしています。
藤波 まさにソフト面でも、地域一帯の包括的な医療を担ったのですね。
狩野 強調したいのは、これは戦略的拡大ではなく、行政や医師会、生活支援団体などのニーズがあり、応えた結果、広がったということです。
藤波 不足を補ってきた歴史の上に今の充実があるのですね。


地域で完結する医療を目指し
今後はニーズを先読みする


藤波 各施設は、患者さんの回復や悪化といった容態変化に応じるのですね。
狩野 病態・病状にあわせて、タイムリーに必要な医療を整えることができます。ここにはハード面があり、統括や連携するソフト面が連動します。当然ながら当院だけでは完結できないことも多くありますので、近隣の急性期病院と連携しながら、エリアで責任を持つ体制を築くことを目指します。
藤波 狩野先生はどのようなご経歴でこちらの院長になったのですか。
狩野 私は奨学金をいただいて地域医療に貢献する自治医科大学を卒業しました。自治医科大学を卒業した場合、往々にしてへき地医療に従事する場合が多いのですが、私も隠岐ノ島で医療に従事していました。その後、県から派遣されて当院の配属となり、居着いてからは30年になります。
藤波 では、益田では30年の間、変化を見つめてこられたのですね。その経験をもとに今後の地域医療をどうご覧になりますか。
狩野 益田でも高齢化社会が訪れており、2025年問題などは深刻です。今までは地元のニーズに答えてきたのですが、これからは『Unmet needs』と呼ばれるニーズの先取りをしたサービスに取り組まねばなりません。人口統計・社会資源・疾病率などから算出して、他の医療機関とも連携しながら、適切で効率的な医療介護を実現する必要があります。病院で完結≠ナはなく地域で完結≠ェより求められるのです。
藤波 何が必要かを予測し、準備しておくことが大切ですね。


地域ごとに医療は違う
長期は人財育成の戦略


藤波 スタッフに対して常に伝えていることはありますか。
狩野 当院は患者さん第一主義。これは私ではなく、先先々代の事務長時代から口をすっぱく言われていることです。
藤波 益田地域ならではの工夫はあるのでしょうか。
狩野 各地域でひとつとして同じ医療はないというのが我々の考え方です。益田にある他の病院の機能、医療資源や介護資源の分布、周辺地域の人口・高齢化率・産業構造・文化・歴史までもを考えあわせながら、地域地域にあった医療を考える病院としてオンリーワンを目指します。
藤波 長期的なご展望を教えてください。
狩野 人材育成です。人口減少が進み、医療や介護職の道に進む学生は自然に減少して取り合いになっていきます。当院では大阪の医療法人と連携し、ベトナムで現地の方に日本式の介護を身に付けていただき、技能実習生を招くという構想に取り組んでいます。コロナ禍でプロジェクトは難しくなりましたが、継続して努めていくつもりです。国内でも、医師を含めた医療・介護職に目を向けていただくために、生きがいややりがいをもって働ける職場づくりに取り組みます。
藤波 これからも地域医療をリードする存在であってください。

 

[ Column ]

日照時間が長く、ぶどうやメロンなどのフルーツがおいしく実る島根県益田地域。高津川というダムのない一級河川があり、山に囲まれた土地で水資源が豊富。ハマグリや鮎といった水産資源も有名だ。2022年に、高津川はその名を映画のタイトルにして全国でロードショーされている。

[ Dragon Point ]

私の出身地である国東と同じ、九州の国東という地名があるので不思議に思って院長に尋ねたところ、この地域の有名な偉人・国東治兵衛という人が国東出身だったそうだ。国東治兵衛は飢饉の時、民を救うため、岡山から持ち出し禁止のイグサを持って帰った偉人だそうで、地元で尊敬されている人物。故郷との繋がりを知って嬉しいです。

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公益社団法人 益田市医師会立
益田地域医療センター医師会病院
狩野 稔久 院長
島根県益田市遠田町1917-2
TEL.0856-22-3611
https://www.masuda-med.or.jp/ishikai

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