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48号紹介

ワールドネットインターナショナル株式会社
高気圧酸素カプセル技術を転用
国産『核シェルター』開発に先鞭

日本の健康機器メーカーが
シェルター開発を進めていた


亀井 優れた『酸素カプセル』のメーカーとして知られる御社がシェルターの開発・販売を進めていると伺いました。
中嶋 当社は17年前に健康機器の製造・販売から始めた会社で、現在は酸素カプセルを中心とするヘルスケア事業で知られています。気圧をコントロールする当社の酸素カプセル機器は躯体として頑丈で、まずは防災用のシェルターに応用され、エマージェンシー(危機管理)の分野として核シェルターに繋がりました。
亀井 そもそも、シェルター開発のきっかけは何だったのでしょうか。
中嶋 東日本大震災があって、家族で石巻に行きました。小学校のグラウンド一面に亡くなった人が横たわっている。本当に怖くなりました。街が壊れて人が亡くなるとどうなるのかを凝視したのです。その光景を前に、私は津波シェルターを作ろうと決意しました。着手後ほどなくして、偶然にも同じ東北地域から「核シェルターを作れないか」との問い合わせを受けたのです。
亀井 日本に知見がなかったのでは。
中嶋 日本は、核シェルターの後進国。イスラエル、シンガポール、ノルウェーを筆頭に、欧米では国策として進められ、日常に浸透しています。そこで、問い合わせを受けた当社は、まずイスラエルの企業と交渉して躯体を仕入れ、その商品と当社の技術を合体させる開発を始めました。
亀井 国防費が7兆円規模になり、ウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射の連発という不安な状況下にありますね。
中嶋 昨今、日本でもようやく危機意識が生まれました。2022年には『シェルター議員連盟』が発足し、まさに核シェルターのスタート元年となりました。

内部被ばくを防ぐ陽圧技術
未来の防衛を提案する


亀井 御社は業界初、酸素カプセルにおいて1.4気圧〜1.9気圧の開発に成功し、日本国内で最初に『酸素キャビン・酸素ドーム』を発売されています。それがどのように応用されていますか。
中嶋 専門的な話になりますが、核シェルターの場合、重要なのは内部被ばくを防ぐ陽圧≠ナす。陽圧とは外からの有毒物に対して、1.0気圧を1.03気圧に上げることです。フィルターで濾過して、二酸化炭素を排出するイメージを持ってください。医療ではコロナ禍において気圧を下げることでウイルスを防ぐ陰圧°間が多用されたので医療界の人には身近な仕組みです。
亀井 私はこれまで核シェルターというものを見たこともないのです。
中嶋 多くの日本人はそうです。ですが、私たちの背中には北朝鮮のミサイルが狙っており、核保有国9カ国のうちのひとつである北京からの睨みもあり、その背後には強靭なロシアがある。当社はこれまで年間30基程度の核シェルターを、危機意識を持つ民間人に卸していました。しかし、時流は変わりつつあります。昨年、内閣官房から問い合わせを受けたのです。日本に知見がない中、政府で「東京に一人、核シェルターの開発改良を続けている変わった人間がいるらしい」と私の話題があがったそうです。
亀井 公的にも核シェルターを検討する時代に入ったのですね。

日本のシェルター普及
その課題と展望とは


亀井 シェルター推進国はどのような対応をしているのですか。
中嶋 スイスは国の方針で世帯の地下にまで積極的に作っています。公的なシェルターはアメリカ、ロシアを筆頭にたくさん用意されています。韓国ではソウルの地下鉄の中に5300万人の人口の3倍が収容できるシェルターを用意し、その普及率は300パーセントと言われていますが、これは数字のマジックで、実際には地下鉄へ3分で駆けこめる人数しか助かりません。
亀井 今、日本でもJアラートがありますが、逃げる場所がありませんね。
中嶋 ミサイルが発射されてから、Jアラートが手元に届くのに6〜7分。演習だと弧を描くので30〜45分かかりますが、本気で狙うと着弾まで10分ですから、私たちは陽圧されたシェルターに3分で逃げ込まないといけません。
亀井 やはり公民館や学校といった拠点に普及させる必要がありますね。御社は一般家庭用の商品も扱っていますよね。
中嶋 フィルターとボディも含めて300万円から用意しています。現在では、家族のために車のワンボックスのファミリーカーを買うよりも前に、部屋にフィルターを付けようとする人たちが出てきました。ハウスメーカーからも問い合わせが増えているのですが、5LDKプラスワンのワンは核シェルター。現在、見積もり10件のうち1件はハウスメーカーからなのです。
亀井 自分の身は自分で守る意識が高まっていますね。今後、日本でシェルターが普及するために必要なことは何ですか。
中嶋 まずはシェルターについて具体的に知ることです。また、防災シェルターと同じく、設置に対する公的な補助金を用意する話が水面下でも進んでいます。政府の取り組みにより、検討する方も増えるでしょう。
亀井 私も今日から核シェルターの現実に向き合っていきます。

 

[ Column ]

同社はシェルター機器をイスラエルから仕入れているが、ゼロから独自の開発をできない理由があるのだ。日本の法律では放射性物質の除去効果を実験することが禁止されている。しかし、中嶋代表はあと数年で法改正が進むと予想されており、同社が日本初の核シェルターメーカーとなる日も近い。

[ Point ]

同社では来年、核シェルターの総合展示場をつくる予定だそう。私を含め、これまで日本人の多くは核シェルターを見たこともないはず。身近にすることで新たな現実と向き合っていくことになると感じました。完成したら見学に行きたいです。

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ワールドネットインターナショナル株式会社
代表取締役 中嶋 広樹
東京都港区海岸1-2-20汐留ビルディング3F
TEL.042-440-6023
https://wni-group.co.jp

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