株式会社キタカタ
挑戦精神を継承し
全国50店舗以上を展開

創業者の精神を受け継ぎ
現場主義で危機を乗り越え
藤波 全国に50店舗以上の直営店・フランチャイズ店を展開されています。
坂井 当社は創業者である父が27歳のとき、母とらーめん店を開き、1代で前身となる会社を創業したもの。チャレンジ精神をもってあらゆる飲食店を始めました。
藤波 坂井代表はいつ継承したのですか。
坂井 私は2005年、30歳で継承し、相談役である叔父の力添えのもと経営してきました。父が他界し、一人で経営のかじ取りをするようになって、11年目です。
藤波 学業を終えてからは、様々な事業を経験されたそうですね。
坂井 23歳までは、「自分の好きなことをやろう」と様々な仕事をしていました。しかし、ある日、父の声がけがあり、当社のらーめん店で働き始めることに。その店長が楽しい方で、本当に仕事が面白かったのです。新潟に戻ったのは、父に「釜めし屋のオープニングスタッフをやらないか」と誘われたことでした。そこで3年間の経験をしたのですが、その現場も楽しかった。本社に異動後は現場に入りながら、人事などのマネジメントも実践しました。振り返ると現場を経験し、知っていることは私の強みです。
藤波 お父さまの戦略でしょうね。
坂井 よく父とは喧嘩しました(笑)。社長としてやることなすこと反論されましたから。しかし、ある日から父はすべてを任せてくれるように。その経験から、コロナを代表する危機を乗り越えられました。
特許技術が生む地元の味
『越後秘蔵麺 無尽蔵』
藤波 お店のこだわりを教えてください。
坂井 当社を代表するブランドであるらーめん店『新潟らーめん無尽蔵』は特許技術で作られた『柿渋麺』が特徴です。柿渋を練り込んだ麺が持ち込まれたことがきっかけで生まれた味で、今も広く愛されています。柿渋麺は柿のポリフェノールが小麦粉を固めるため、他にないツルツル・もちもちとした噛み応えが生まれます。
藤波 新潟県産品が活かされているんですね。
坂井 地元で受け継がれた「越後みそ」や「越後しょうゆ」を使っています。味噌味や醤油味の選べるらーめんは人気メニュー。ファミリー層に喜んでいただけるようなメニューづくりで展開しています。
藤波 出店はどのような戦略ですか。
坂井 基本として路面郊外店または集客能力の高い商業施設を中心に各店のフランチャイズを募集しております。
藤波 飲食業の人材不足は深刻ですが、スタッフ育成についてはどのようなお考えをお持ちですか。
坂井 仰る通り、人材に関しては求人採用が難しくなっています。そのため、当社は既存のスタッフを大切にしています。そのひとつとしてモチベーションを見える化する『見えるマネジメント』に挑戦しています。
ビジュアルマネジメントで
事業に成長をもたらす
藤波 具体的にはどのようなマネジメント方法なのでしょうか。
坂井 コロナ禍で私たちは、外部コンサルタントの知見も借りながら、新しいマネジメントの考え方や商品を勉強しました。そんな中で、特に当社が採用したいと考えたのが「見える化」でした。これは将来像、客層、商品開発、評価、期待値などあらゆる分野を「見えるように」する試みです。1日1日、気持ちをリセットする役割も果たします。
藤波 例えば文字や言葉にするだけでなく、メニューにしたり、ロゴにしたりというような取り組みでしょうか。
坂井 それ以外にも「目で見る管理」があります。例えば、「お客さまに喜んでいただくことが大切」ということについては、「店舗をキレイにする」といった一見、当たり前のことも含めて、見える化します。
藤波 それもあって店舗やメニューのリニューアルを考えているそうですね。
坂井 今回はリブランドということで、メニュー名や看板を変えています。変化は進化ですから、守り続けることだけでなく、変わっていかなくてはなりません。また、変化をどのような進化に繋げるかについて、バイトさんにも伝わるようにします。なぜ、変えていくのか改めてスタッフに問い、伝え続けて、進化に繋げるのです。また、実践するスタッフについての評価も見える化。すべてをひっくるめて「見える経営」と言えるでしょう。見える化されている会社は、哲学、経済の側面を含めて「がんばってみようかな」と思う空気が見えてきます。これらを求人採用や職場改善へとつなげていくのが当面の目標です。
藤波 先代が生きていらしたら、御社の成長を喜んでいらっしゃるでしょうね。


[ Column ]
【キタカタが扱う主な飲食ブランド】
ツルもち食感の柿渋麺の『新潟らーめん無尽蔵』
福島県喜多方市で実績ある『喜多方ラーメン大安食堂』
芳醇な白味噌・辛味噌の『らーめん風伯』
岩船産コシヒカリの絶品釜めし『五頭の山茂登』
デニッシュパンのブーランジェリー『Riricca』他
[ Point ]
会社が拡大すると見えない部分も多くなってきますよね。「見える化」は人材採用がきびしくなる飲食業界において、50店舗以上を展開するキタカタだからこそ、必要な取り組みなのだろうなと思いました。さすが、現場が楽しくてたまらないと公言する代表です。
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株式会社キタカタ
代表取締役社長 坂井 貴之
新潟県新潟市中央区女池上山1-5-17
TEL.025-284-5522
https://kitakata.co.jp
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