Hikari Crew/彩(ひかり)クルー
震災からのアクセサリー廃棄陶磁器に新たな価値

壊れた食器がよみがえる
資源をアップサイクル
藤波 これが陶磁器のアップサイクルアクセサリー。美しさだけでなく、使い込まれたあたたかみを感じますね。
日妻 本来の役割を終えた陶磁器に、もう一度光をあてて、身につける人の心も豊かな光の彩りであふれるように、との願いを込めて作っています。
藤波 もともと震災復興のプロジェクトから始まったそうですね。
日妻 当社の前身は『希プロジェクト』というもので、復興支援活動に携わるため、神戸市から石巻市に移住した高本スーさんにより、2012年10月に設立され、活動を続けてきました。
藤波 宮城県石巻市といえば、当時、被災の大きかった場所でしたね。
日妻 津波はすべてを打ち砕き、私の家もなくなりました。瓦礫に混じって散らばっていた陶磁器を見て何かできないかというスーさんの思いによるものから始まりました。月日が経った後は、知り合いが古い陶器を提供してくれたり、思い出の陶器を何か別のカタチで残したいという依頼も増えました。
藤波 陶磁器の扱いは難しいのですか。
日妻 最初は穴を開けるのも大変でした。手に伝わる感覚を覚え続けました。現在では0.8ミリの穴を穿つ技術があります。
藤波 なぜ、このプロジェクトを受け継ごうとしたのですか。
日妻 閉業が決まり、一度は諦めましたが職人として10数年間、独学で極め、今なお、より良いものを追求したいと思い続けています。この仕事は唯一、私が夢中になれるもの。起業なんて向いていないと思いましたが、家族とも相談し、がんばってみようと決めたのです。
藤波 これからもモノと心を大切に、光を当て続けてください。


[ Column ]
日妻さんは、震災で片時も自分から離れなくなった子どもを連れての復興生活だった。当時、『希プロジェクト』は「女性に仕事を」をテーマとしており、子ども連れの出勤や1時間だけの出勤でも可能なスタイルを採用。日妻さんはそのおかげで、職人としての仕事を継続できたという。日妻さんは今後、そういった役割も受け継いでいきたいと願っている。
[ Point ]
今なお私がプロレスラーとして現役で活動する姿を知ってくださっていた日妻さん。「ずっと人に光をあて続けたい」という思いと重なり、私に色んなご縁を感じてくださったそうです。嬉しいですね。私も今日はパワーをいただきました。
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代表 日妻 ちえみ
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