インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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56号紹介

合同会社KYネクスト
世界へ羽ばたく日本の食材
生産者に明るい未来を届ける

輸出貿易とレストラン事業
皇帝牡蠣の受賞で躍進


亀井 2020年2月に創業した輸出貿易・レストラン事業・食品展示会PR事業の会社ですが、躍進を続けています。
松原 当社はもともと料理人3名で立ち上げた会社でした。私は大学で経営学を学び、その間、調理のアルバイトを始めたことがきっかけで創業メンバーと知り合いました。当社は京都を拠点にし、海外のパートナーと組んでレストラン事業を展開しました。その後、コロナ禍という深刻な状況があった時、生産者の力になりたいとの思いから食材の販路を確保すべく、自社でも食材を使いはじめたのが、貿易のきっかけです。
亀井 創業時、輸出業はまったくの未経験だったそうですね。
松原 はい、ジェトロにも助言していただきながら進めました。私たちの共同経営者の一人が牧場を経営していたのですが、手始めに彼と共に山形の米沢牛を輸出したのです。現在は和牛の他、車エビなど10品目程度を扱っています。
亀井 御社は牡蠣で知られています。
松原 当社が飛躍するきっかけになったのは、岡山県で特殊加工された『皇帝牡蠣(Emperor Oyster)』でした。2024年5月、ドバイで開かれた中東最大の食品見本市『Gulfood Dubai2024』の冷凍冷蔵部門にて、190万アイテムの中から『Best Frozen chille award(ベストアワード受賞)』を受賞したのです。山と海と川が隣接するエリアでとれたミネラル豊富な牡蠣は高い評価を受けました。

低周波冷凍技術で実現
世界のシェフを驚かす味


亀井 冷凍技術が優れているそうですね。松原 電流で食品中の水分を壊さずに均一にゆっくり冷凍凍結する低周波微振動の技術を持っています。この方法を採用すると、いわゆるドリップが一切でないのです。
亀井 おいしさを逃さない技術ですね。
松原 全世界のベスト50位にランクインされる著名なフランス人シェフが、牡蠣を実際に食べて「ありえない!これは間違いない」と断言し、広がりました・ブラジルのサンパウロで行われた農業会合G20では農林水産大臣が日本を代表する食材として『皇帝牡蠣』を各国に振る舞いました。
亀井 和牛についても力を入れています。
松原 牡蠣はまだ輸出規制があり、2025年は規制緩和の手前にあります。和牛の輸出に関しては権利関係の複雑さで素材が高価格帯になっています。そこで、まずは世界の情報発信拠点であるNYの中心地域にレストランを作って、和牛をプロモーションする予定です。
亀井 牡蠣や和牛を中心にさらなる食材を海外に広めてくださるのですね。
松原 日本食ブームの一方、国内では生産者が厳しい現状にあります。アジアだけでなくEUや中東圏にも商圏を広げ、日本のおいしいものを紹介していきたい。

食材と生産者をつなぐ
グローバルな戦略


亀井 日本の現状をどう見ていますか。
松原 コロナ禍で日本の生産者が苦しい状況を見て、政治面、経済面で日本に住み続けることにも疑問を持つほどです。政治を頼らず、自分たちで外交をした方がはやい。私たちは牡蠣の産地でもある岡山県と密接な関係がありますが、行政と組んで特別な工場を増設し、今後市場が伸びると予想されるサウジアラビアやカタールと独占的な契約を結ぶことに成功しています。我々は20〜30年後の日本の将来を見越して動いており、生産者が買いたたかれない、国際的な仕組みを作るのが目標です。
亀井 次に注力する食材は何ですか。
松原 規制のゆるい水産品のウニや車エビといった市場を狙っています。海外での養殖場を展開しており、すでに完成が見込まれており、水温チェックの段階にあります。
亀井 これまでご苦労はありましたか。
松原 人生の95%は失敗です。かつて事業を失敗させたことがあり、世界で知見を広げようとシンガポールに移住しました。そこで世界のトレンドやその推移を見つめたのです。我々は厳しい経験をもとに事業をしています。展示会では、他の商社に比べて管理を徹底。私たちのやり方は非常に細かく、何度も行うものです。牡蠣についても現地での取り扱いを管理し、解凍の仕組みに関する動画まで作成しました。
亀井 今後の夢は何ですか。
松原 日本の生産者の販路開拓を世界に向けて行い、当社と生産者の両方で潤うことが理想です。あと、個人的な夢としてはいつか岡山に経済特区を作って、需要と供給の両方を増やし、岡山の雇用を拡大していきたいです。
亀井 これからの発展も期待しています。

 

[ Column ]

中東では空輸したときに時間のかかる日本食材はコスト感が見合わないものだった。牡蠣といえば、フランスなどの地中海産が出回っていた。同社では、「フランス産の牡蠣に太刀打ちするためには、まずは味で勝負できることが重要。味わってもらう必要がある」との戦略を立て、厳正な管理のもとで世界のシェフに優れた味わいを届けた。

[ Point ]

20〜30年後を見据えた非常にスケール感のある話が展開されて、圧倒されました。2025年の幕開けに、農業、水産、加工産業の分野で日本という国を思う企業の話を伺うことができました。まずは、NYでの肉料理レストランが成功しますように。

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合同会社KYネクスト
代表取締役 松原 慶典
合同会社KYネクスト
京都府京都市下京区函谷鉾町101
アーバンネット四条烏丸ビルディング6階
TEL.075-279-4301
https://kynext.org

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