インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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56号紹介

石村工務店株式会社
慶長年間から続く建築会社
宮大工養成塾福岡校を開設

慶長年間から受け継ぐ技
次世代へつなぐプロジェクト


イザム 伝統ある技術と最新の建築技術を駆使する歴史ある企業ですね。石村代表は何代目にあたるのですか。
石村 記録に残っているところでは5代目。しかし、社寺建築における当社の歴史はかなり古く、当家には慶長年間、黒田藩の城主が福岡に築城の際、岡山から専属の宮大工として招いたとされる歴史が伝わっています。家業として先祖代々、伝統ある設計施工法を受け継いできました。さらに、その歴史の中で新しい技術も蓄積を続け、今では建築全般を手がけています。
イザム 事務所の神棚も立派なものです。
石村 私はこういった日本の伝統あるものが好きです。これは、伊勢神宮と同じ『神明造』でして、茅葺きの屋根です。
イザム 石村代表が家業を継承するのは、自然の流れだったのですか。
石村 いえ、もともと継ぐ気はありませんでしたね。当社に入社し、およそ10年間修業しました。3年前に父が他界して代表になりました。
イザム そんな中、宮大工の技術継承に向けて新たな取り組みをなさるとか。
石村 2025年、会社として『宮大工養成塾』の福岡校をフランチャイズ運営することを決めました。いわゆる建築のいろはを学ぶ学校で、3年間の寮生活と内弟子制度により修業するもの。門下生はスマホも持ち込めないほど厳しい修業期間を送ります。当社は5名の大工のうち、3名が70代。人材育成に待ったなしの状況なのです。

一般建築と社寺建築の
二本柱で大工を育成する


イザム 塾生たちは、卒業後に宮大工として雇用されるということでしょうか。
石村 はい、来年、大阪校で学んだ17歳の卒業生が、当社の社員として働いてくれます。また、福岡の若宮工場に寮をととのえて、門下生が住み込みできる体制を整えています。
イザム やはり、社寺を手がける大工の仕事は一長一短ではできませんよね。
石村 そうですね。当社は神社の建築を請け負っております。工法といった技術はもちろんですが、それ以外に宮司は独自の考えをお持ちの方も多く、それを取り囲む氏子さんがおり、話がまとまるまでに時間を要することも。地方の場合、複数の街にまたがり氏子を形成するため意見の調整も難しい仕事のひとつです。
イザム 宮大工の養成について、どの程度の受け入れ人数を考えているのですか。
石村 年間1〜2名の受け入れを考えており、毎年1名の卒業生獲得を目指します。
イザム 募集要項について、門戸は幅広い層の人に開かれているのですか。
石村 制限は特にありません。まずは半日の宮大工体験を行い、そこで興味を持たれた方にアプローチします。

地方の社寺支援を見越す
日本を背負う新たな挑戦


イザム 会社としては一般の建築物も同じ仕事の比重でなさっているのですか。
石村 ええ、法人様からの案件も多く受注しています。我々の業界は競合も多く、当社が一般の建築物で特色を出すためには現状、課題があります。
イザム 本社は福岡ですが、名古屋にも支店があるのですね。
石村 社員の一名が、挑戦させてほしいということで、送り出しました。こちらは建築のリフォーム業に特化した内容で、事業は軌道に乗っています。
イザム そんな中、モットーと言いますか、御社が今、見据えておられる未来はどのようなものですか。
石村 「伝統文化・技術の継承」と「人材育成」の三つに絞られています。私はすでに50歳になる年ですが、かたや子どもはまだ7歳で継承というには遠い。元気なうちに次の人材を育てなくてはなりません。
イザム 企業としての長い歴史、そして70代になるベテラン職人たちが培ってきた技術を背負っての人材教育は責任重大ですが、一方で未来が楽しみですね。
石村 実は地方の社寺の課題として、資金がなくてなかなか建物の修繕に手をつけられない実態があります。こういったものについては、塾生たちと学びも兼ねてしっかり改修を入れたい。塾生の学びという名目で、当社としても費用を安くおさえ、お力を貸すカタチができます。地方の困っている神社に力をお貸ししたいです。
イザム 今後の目標を教えてください。
石村 当社は現代建築と社寺の二本柱を継続しており、両方ともにしっかりとした基盤を作っています。これからも、それを固め、成長させていきます。
イザム 躍進を期待しています。

 

[ Column ]

宮大工養成塾とは宮大工になりたい人に向けて、3年間の実践型で修業を提供する塾。4年目は卒業生として、宮大工を抱える企業で雇用されることを目指す。宮大工の高齢化と継承者の減少により、全国の社寺が修繕に困る現状。興味のある方は、気軽に問い合わせよう。

[ Point ]

福岡の非常に歴史のある建築会社。事務所の設えも趣きのあるものでした。来年からは新たに宮大工の塾を設立されるということで、これは日本の伝統文化にとっても非常に重要な取り組みです。文化財保護の観点からも新たな担い手に頑張ってほしい。

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石村工務店株式会社
代表取締役 石村 斉
■本社  福岡県福岡市博多区下呉服町5-21
     TEL.092-291-0063
■名古屋 愛知県名古屋市中村区本陣通5-141
     TEL.052-526-7015
https://ishimura-c.co.jp

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