インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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57号紹介

蛇島開発株式会社
山口県の砕石工場が挑む事業
『周南爆破』が生む地域活性化

砕石工場からエンタメへ
ニッチ産業のイメージ変革


藤波 山口県で砕石工場を営む蛇島開発が今、ユニークな取り組みで注目を集めています。まずは砕石について教えてください。
中村 この砕石工場は、1972年から徳山市のこの地にありました。当社は、1989年、この工場をM&Aで取得したのです。当社についてお話しすると、私の祖父は1960年代に広島で砕石業の会社を創業。私は3代目として、2024年4月に当社の代表に就任しました。山口県におけるグループ企業を統括しています。
藤波 早速ですが、『周南爆破』に取り組んだきっかけを教えてください。
中村 砕石業は街づくりに関わる重要な産業です。しかし、ニッチな分野ですから業界にはイメージすら持たれていません。今後は人材不足が予想される中で、イメージから変わる必要があると感じていました。そこで私は当社は何ができるか、何が強みかを考え「広い土地がある」、「そこで何をしても怒られない(笑)」ことだと思いました。
藤波 しかし、よく「爆破事業」という発想にたどり着きましたね。
中村 実は、たまたまテレビで観光業者が爆破事業をやっていることを知ったのです。栃木県の「仮面ライダーの聖地」と呼ばれる場所でした。事業者のインタビューがあり、事業が地域活性に繋がることも知りました。さっそく、その事業者に連絡し、うちでもやりたい≠ニ。栃木県と山口県では顧客が競合しないこともあり、快く引き受けてくれたのです。

コスプレから家族の記念まで
唯一無二の撮影ツアー


藤波 具体的には「爆破」とはどういったサービスでしょうか。
中村 特殊撮影で実際に使われる爆破を体験してもらいます。爆破の前で世界で一枚だけの写真や動画の撮影をするのです。コスプレイヤー、家族の記念写真をはじめ、ある方は結婚式のウェディング動画に使われました。撮影ツアーは、午前中と午後などに1回ずつ。10組が同時に撮影します。爆破の種類は、炎があがる「ナパーム爆破」と煙が出る「セメント爆弾」を用意。4〜5メートルの炎が舞いあがる様子は大迫力です。貸切も考えており、より複雑な撮影にご協力します。
藤波 爆破には技術が必要ですよね。
中村 砕石業はもともと火薬を使います。当工場の火薬を扱う業者は、花火師でもありました。相談に応じて、視察に同行し、ナパームの原理を理解。「うちでできます」と請け合ってくれたのです。
藤波 事業の立ち上げから実行にはさまざまな協力者がいるのですね。
中村 私が地元の青年会議所に入っていたので、ネットワークを使って、メディアにご協力いただき、関係者をあたってホームページを制作しました。岩国のご当地ヒーローがPR用の写真撮影に協力してくれました。

業界の常識を変える
企業アピールと人材確保


藤波 就任から、新規事業の立ち上げまで非常にスピード感がありますが、先代や周囲の反応はいかがでしたか。
中村 8月にテレビを見て、11月に現地視察。翌年3月には事業をスタートさせました。それは声をかけた人みんなが前向きに応じてくれ、「皆で盛り上げよう」となってくれたからです。砕石会社には「外部の人を入れたくない」といった保守的な傾向があります。しかし、まずは「業界のイメージを変えなくては」との私の思いをしっかり伝えました。
藤波 それだけ中村代表の人材不足に対する危機感は強かったのですね。
中村 今後は人手不足による廃業もありえない話ではありません。日本中で開発がなされていた高度成長期と違い、砕石の仕事は減っている。石は限りある資源でもあり、業界は淘汰が進みます。また、業界の高齢化も課題です。当社の平均年齢は50歳。私がどこへ行っても最年少ということは、会社としてはまずい状態です。
藤波 しかし、絶対、世の中に砕石会社は必要不可欠ですから、勝ち残っていく戦略が大切ということですね。
中村 爆破事業の主な目的は、企業のアピールです。「どこで働いてるの?」と聞かれたとき「蛇島開発」と答える。「ああ、あそこか」となる未来を描きます。また、私が率先して挑戦する姿を見せることで、従業員に対して「挑戦できる」「やってみよう」という空気を作りたい。社内の風土が変わり、「やりがい」に繋がります。
藤波 社内の空気は変わりますよね。
中村 ここで爆破を体験した子どもたちが、大人になり「蛇島開発で働いてみたいな」となれば集大成ですね。
藤波 これからもがんばってください。

 

[ Column ]

道路、建物の下、家が建つなど街が変わるときには活躍するという砕石。施工後は何かに覆われるため、気付きにくいものだが、実は街はすべて砕石の上にできあがっているのだ。砕石業の石の種類や品質には大きな違いがなく、全国で同じ商品を販売しているため、企業のブランドイメージが大切になる。

[ Point ]

爆破の映像を拝見しました。純粋に面白そうです!私も一度、プロレス用のプロモーションビデオでも撮影してみようかな。中村代表は、「爆破で聖地になるぐらい」までがんばりたいとのこと。ここを拠点とするエンターテインメントが生まれる日が楽しみです。

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蛇島開発株式会社
代表取締役 中村 旦
山口県徳山市徳山11121-1
TEL.0834-31-3204
https://shunan-bakuha.com

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