御釜屋
南部鉄瓶と伝統の技
11代目・小泉仁左衛門

世界市場からの評価と
次世代へつなぐ想い
岩手県盛岡市に『南部鉄瓶』を創始から受け継ぐ職人がいる。11代目、小泉仁左衛門だ。
「貴重な「雫石の白炭」と「型」を用いて作ります。仕上げに塗るのはうるし。ほとんど1点ものをオーダーメイドで型からご注文いただきます。急ぎの依頼でも10日間、通常は3カ月間程度かけて、イチから丁寧に仕上げます」と小泉氏。
1人前になるには最低でも3〜5年。失敗を積み重ねて、技を磨く南部鉄瓶の職人。型は初代から代々受け継がれた貴重な財産だ。実は、それほどの技が、11代目が継承する頃には注文が減り、技術存続の危機にあった。それを救ったのは中国の文化人たちだ。
「中国の方はお茶を飲む文化がありますよね。南部鉄瓶は水をまろやかにしますから、お茶がおいしくなる。例えば10個の鉄瓶があったとして、すべて茶の味が異なるのですよ。国際的に鉄を使った美術工芸品は珍しく、高い評価をいただいています。南部鉄瓶は100年もの。リピートはありませんが、鉄瓶を気に入ってくれた方から次のご紹介があります」。
今後の目標は世界市場の開発と国内評価の向上。そして、次世代に技を伝えることだ。


[ Point ]
南部鉄瓶が生まれる過程の一部を工房で見学。その美しい姿に思わず「キレイだ」と叫びました。日本人に再び、その価値を伝えたいです。
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御釜屋
南部藩御用釜師/11代 小泉 仁左衛門
岩手県盛岡市盛岡駅西通2-1-23
TEL.019-601-6870
https://nanbutetsubin.com
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