松本クリニックグループ
八尾トップクラスの看取り件数
外来診療から在宅医療・介護と
介護施設で地域医療介護を包括的にサポート

在宅療養を支える
地域密着型グループ
上重 ここはクリニックをはじめ、在宅療養をサポートする全ての事業が同一建物内の同一グループ内にある包括的な施設です。
松本 クリニックを開院して11年目になりますが、今のようなグループが完成したのは約5年前です。私は自分の父の介護を経験したことから、医療と介護を融合したグループを作りました。在宅医療の現場では、医師よりも、訪問看護師、訪問リハビリ、ケアマネ、ヘルパーといった存在が重要で、それらを包括するグループ構想を持って現在に至ります。
上重 5年前から、「泊り」「通い」「訪問」が出来る複合型施設、看多機「ナーシングホームこもれび」を併設されていると聞きました。
松本 父の介護をしていた時、平日は母が担い、週末は私と弟で担っていましたが、困るのは母に何かあったときの受け入れ先でした。その時の苦労から自分の患者さんとご家族にさんには、その苦労を無くしたいという思いで、5年前に看多機をつくりました。看護師が常時駐在し、クリニックに併設しているので、医療ニーズの高い方でも安心してご利用いただけます。
上重 各地域で高齢化が進んでいます。医療介護格差はあるのでしょうか。
松本 そうですね。しかし、八尾市に限ると在宅医療介護をサポートする事業所が全国平均に比べて多いエリアです。ただし、例えば同じ在宅医療をやっているクリニックでも、その医療レベルは全く違います。たくさんあるからこそ、どこの事業所でサービスを受けるかどうかで全く違う在宅医療・介護になりますし、その一方で利用者の取り合いになり、淘汰される事業所もあります。
上重 こちらの強みを教えてください。
松本 まずは、在宅医療・介護の事業所が同一グループでまとまっているところです。更に毎朝のカンファレンスでスタッフ全員が患者さんとご家族の情報を共有しているところです。また、当クリニックは常勤医師一人当たりの看取り件数が全国的にトップクラスです。きちんとした看取りができる医療体制は難しいことから、その看取り件数がトップクラスというのは当クリニックの大きな特徴となっています。
自身の父の介護経験から
温かくリアルなサポート
上重 看取りをするということは、難しいことなのでしょうか。
松本 患者本人はもちろん、それに関わる家族、医療・介護職にとっても、穏やかな看取りというのは難しいと思います。当グループの理念は、「患者さんとそのご家族の生活に寄り添う温かい医療と介護」です。患者さんに寄り添うスタイルは、他でもありますが、家族に、というのはあまりない。在宅医療・介護は「家族のケア」も大切なのです。そうせねば結果として在宅では看取りができません。当グループはそれをしっかりサポートしているつもりです。
上重 看多機について教えてください。
松本 看多機(かんたき)の存在は、これからの地域医療・介護のポイントの一つになると思っています。出来るだけ、自宅で過ごしたい、病院には行きたくない、でも介護がしんどい時は助けてほしい—これらは、私自身の父の介護経験からも痛感しています。父のように出来るだけ在宅療養を続けたいという患者さんとご家族にとって、6年ぐらい前に知った『看多機』—(『ショーステイと同じ「泊り」)『デイサービスと同じ「通い」「訪問」が出来る複合施設の小規模多機能に「看護』という医療要素も入るカタチ)に魅力を感じました。一方、登録利用にあたっては、これまで介護プランを作成してくれたケアマネを変える必要があるので、これは現在も横たわる大きな問題だと思います。ケアマネを看多機のケアマネに変更しなくても良くなれば、本当に良い介護施設だと思います。
上重 リアルな経験が響きますね。
地域とつながりながら
寄り添うための理念継承
上重 グループ内で医療と介護が完結することはメリットが大きいですね。
松本 情報共有などを迅速に行えるなど、当グループは地域密着型の医療・介護の事業を同一グループで行うグループです。もちろん、他事業所とも連携して地域医療・介護にも貢献しています。同一グループ内で全てが完結するグループを作りましたが、これは一つのモデルケースであって、同一グループでなくても、他事業所同士がちゃんと連携すれば、同じような形が出来て、地域医療・介護に貢献できると思います。ただ、こういう取り組みには行政の力もいります。より良い地域包括ケアシステムの構築のために、日々、行政と共に、より地域のために何ができるのかを考えています。
上重 自費診療の『がん免疫療法』に力を入れているそうですね。
松本 在宅医療の依頼のある患者さんには、がん治療をやりつくしたが、まだ、元気だから何か他に出来ることはないのか?という思いをぶつけてくる患者さんやご家族さんがいます。標準治療をやりつくしたがん患者さんにとって、在宅緩和ケアで余生をと言われて大病院から紹介される方には、まだまだ諦めきれない思いのある方もおられます。そういう方に、賛否両論はあると思いますが、実際、自費の「がん免疫療法」が効果があったとしか思えない症例もありますし、自費診療を受けた患者さんやご家族ががん治療をやり切ったという思いを持てるのであれば、「寄り添う」と言う当グループの理念の点からも良いのではないかと思ってやっています。
上重 理念を大切にされていると。
松本 80名のスタッフがいて、各部署にはしっかりした管理者がいます。毎朝全体でミーティングします。在宅医療は答えがあるようでありません。だからこそ、毎朝、グループ理念を唱和し、答えに困ったら理念に立ち戻ることを全スタッフの共通認識にしています。どうすれば、患者さんとご家族に寄り添えるのかを各々のスタッフの目線で理念に基づいて答えを探します。
上重 将来的な夢を教えてください。
松本 当グループはひとつのモデルケース。行政や医師会も巻き込んで、連携協力により同じカタチを実現し、八尾市独自の地域包括ケアシステムが構築出来ればと思っています。
上重 今日はありがとうございました。


[ Column ]
さまざまな取り組みを精力的に行う松本院長。日本に600万人の潜在患者がいて、自身もそうである『睡眠時無呼吸症候群(SAS)』のオンライン診療に取り組むそうで、SASの検査及び治療機器『CPAP(シーパップ)』のレンタルを行う『株式会社グッドスリープ』を設立する。オンラインのSAS専門外来での診断治療から、SASの検査、CPAPの導入・管理までを一貫してサポートする。
[ Point ]
謙虚で素朴なお人柄ながら、お話を伺うと非常に精力的。実体験に裏打ちされた行動で、自分が困ったからこそ、他の困っている方のために社会課題を解決していこうとする姿勢が印象に残りました。今後は後進の育成も課題とのこと。そちらもうまくいくといいですね。
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松本クリニックグループ
医療法人松樹会 松本クリニック
こもれび訪問看護ステーション
こもれびケアプランセンター
看多機ナーシングホームこもえび
株式会社グッドスリープ
医師/理事長/代表取締役 松本 伸治
大阪府八尾市南本町4-1-11
TEL.072-970-6421(松本クリニック代表)
https://www.matsumoto-cli.com
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