インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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33号紹介

株式会社テラ・ラボ
宇宙へのロマンが災害の人命救助に!
無人航空機で初動支援をより早く

新しい航空宇宙産業に挑戦
通信衛星での自動制御飛行


藤波 災害に備えて、無人で飛ぶ航空機を開発・製造するプロジェクトと伺いました。
松浦 当社は無人で飛ぶ自動操縦飛行機(UAV)を開発しています。機体は全翼長8メートル。1度の飛行で2千キロの長距離を時速80〜140キロで走行可能。1〜2万メートルの高度を巡航することができます。衛星通信を活用しながら、地形などのデータを収集すると同時に、解析します。
藤波 開発はどのように始まったのですか。
松浦 私は以前、中部大学の職員をしていましたが、ある時、政財界の方から「松浦さん、新しい航空宇宙産業を作ってみませんか」とお声掛けされたことがきっかけです。ここ愛知県は日本の航空機戦略特区でもあり、私も関わりが深く、個人的にも種子島にロケット打ち上げを観に行くのが趣味でした。漠然と無人で宇宙に行けるモノを作ってみたいなと…。
藤波 なんだか、ロマンがありますね!
松浦 ロケットは垂直に打ち上げるので相当なエネルギーが必要です。しかし、航空機なら緩やかに上昇できるので、その形状を活かし、成層圏に飛べる宇宙用機体ができないのかと…漠然とした構想をもとに大学発ベンチャーとして起業したのです。
藤波 私、実は航空機が大好きなので、そういうお話を聞くと、興奮してきました。

宇宙への夢が社会課題解決に転換
テクノロジーを活用した災害救助


藤波 宇宙ロケットからなぜ、災害目的のための無人航空機に構想を変えたのですか。
松浦 長距離無人航空機の研究は、災害に役立つのではないかという気づきがあり、徐々に事業目的が社会課題解決にシフトしていきました。東日本大震災発生時、被災地域が広範囲にわたり、どうしても被害状況の発見、確認が遅れてしまうという問題がありました。救助指令をいち早く出すためにも、初動段階での情報収集が重要なのです。
藤波 今、開発はどの段階にあるのですか。
松浦 ほぼ完成しており、飛行実験を繰り返すのみです。次の段階は災害システムの構築ですが、今、研究開発費として12億円ほど集まっており、当社を上場させた資金を元手にシステムを整備する予定です。
藤波 将来性が見込まれているのですね。
松浦 機運に恵まれたプロジェクトです。テラ・ラボのテラ≠ヘ地球という意味で、我々は宇宙から地球を考えるチームです。先進研究に補助金だけでなく、ベンチャーキャピタルからの支援もいただいております。
藤波 災害時に1人でも多くの命を救えるよう、今後の社会実装に期待ですね。

南海トラフ地震到来に備え
将来は世界を災害から守る


藤波 南海トラフがやはり懸念ですか。
松浦 はい。30年以内に80%の確率で起こり、さらには地震による二次災害が発生する
危険性があります。私たちは備えが使命ですから、気を引き締め、記憶を風化させないよう被災地などを巡り、話を聞く活動も行っています。今、福島にあるロボットテストフィールドで飛行実験を重ねていますが、これも東日本大震災における復興支援のひとつとして支援をいただき、成り立っています。
藤波 開発費がかかる一方ですが、会社としての経営はどのように成り立ちますか。
松浦 運営費をまかなうことは必要です。航空測量の分野がありまして、当社の技術を用いると、レーザーで精度の高い測定ができるため、地図作成などで役立ちます。日常はそういった業務を平行しています。
藤波 UAVは様々な可能性が見えます。
松浦 我々は社会課題にどう直面するのかを使命とする社会課題解決型ベンチャーであるべきです。UAVも将来的には様々な展開があるでしょうが、まずは災害用として実用化することを第一段階に想定しています。
藤波 今後はどのように展開しますか。
松浦 2021年は災害システムと格納庫を建造して情報を収集し、近い将来、中部地域にも基地を作ります。これは大きな夢でもありますが、世界で起きる災害の8割はアジアが占めています。とすると、日本でドローンによる災害情報支援の先進モデルをつくることが、世界中の人々を救うことにもつながるかもしれません。私の人生はこれらにすべての時間を費やし、終わりで満足です(笑)。
藤波 松浦さん、少年の目をしている(笑)。夢と使命が重なりますね!

 

[ Column ]

同社では、UAVの技術を応用した実用型の機体を数台保持し、データ観測などを行っている。台風19号(2019年)の際は、南相馬市の土砂災害現場にいち早く直行し、データを測定。山の頂上から亀裂が入っている現場を確認した。その後、土量計算で流れ出た土砂量や、土砂災害と水災害が同時に起こった経緯などを分析。さらに雨が降った場合に、同じ災害が起こる将来予測まで突き止め、地域住民を迅速に避難させた。1週間後の豪雨で、避難住民全員の命が助かったそうだ。

[ Dragon Point ]

マルチコプターや小型ドローンなども同じように活用できそうだが、飛行機型の良さは広範囲に速く、燃費良く飛べること。さらには、3リットルのガソリンで5〜6時間も無人走行できるそうだ。ヘリコプターは、山間部を飛行する際に危険がともなうほか、有人航空機は現在、パイロットの人材不足に直面しているので、その課題解決にも役立ちそうだ。

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株式会社テラ・ラボ
代表取締役 松浦 孝英
【本社】 愛知県春日井市不二ガ丘3-28
TEL.0568-53-4501
FAX.0568-53-4502
【研究開発拠点(福島)】
福島県南相馬市原町区萓浜字巣掛場45-245
南相馬市産業創造センター内A棟 工場3
https://terra-labo.jp

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