インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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11号紹介

【スカイマーク】
経営再建への熱い想いと、沈着冷静な工夫の積み重ね

風通しの良さと固定費の削減

藤波 就任後約1年で黒字回復という素晴らしい結果を出されているが、一般的に経営破綻した企業のトップの座に座るというのは、大変な決断のように思えますね。

市江 前職の日本政策投資銀行でも企業再生に携わり、いくつもの会社を立て直してきましたが、自分が企業の中に入って改革していくのは初めてでした。金融業界出身のトップと言えば、徹底したコストカットや財務改善のイメージがありますが、それだけではなく、経営や事業そのものを見直し、企業の特性を最大限に発揮できる体制にしたかったのです。

藤波 2015年9月に就任され、企業再生の先頭を走る中で社内に対してはどのような施策を?

市江 とにかく「風通しを良くすること」を徹底しました。社員は真面目な人が多く、上の人間に対してあまりモノが言える雰囲気ではなかった。航空業界は乗務員だけでなく、地上での機体整備、運航管理者など、それぞれの専門家が分業しているため、縦割り行政のように会社としての業務効率が悪くなりやすい。上下左右に意見が言える社内コミュニケーションの良さが、業務効率アップにも、安全性を高めることにもつながってきます。同じものを見ても、自分と他人では捉え方が違うかもしれない、そこを理解した上で相手にどう伝えるか、そういう基本的な所から研修し、人事評価を見直しました。おかげで社内の雰囲気もだいぶ変わってきた。もう一つは固定費の削減に挑みました。航空会社は飛行機の機種が増えるとその固定費が増える。操縦士や整備士は機種ごとに必要な資格が異なるため、複数機種を持つと、その分コストや人件費が大幅に膨れ上がる。ただ、スケールメリットが働く業界でもあり、20機を超えたくらいから低コスト・低価格が実現できる構造になっている。



当たり前のことを当たり前にやること

藤波 革新的な工夫を各所でされているようだが、経営で特に気を使っていることは?

市江 口癖は「1に安全、2に定時、3に経済性」の優先順位。迷ったらまず安全。目の前の数字はマイナスでも、安全を取る方が長期的に見てプラスなことが多い。一方で、ビジネス利用の多い羽田を拠点にしていることもあり、欠航や大幅遅延は許されない。毎朝全国の支店長とテレビ会議をし、どうすれば定時性を高められるかを探るうち、社内運動のように盛り上がってきた。そうなると自然と物事は動く。飛行機自体はきれいだし、座席の幅も大手航空会社と変わらない、客室乗務員もきちんとサービスをする。変わった手法をしているのではなく、ベタにやるべきことをやっているだけ。

藤波 今後の展望は?

市江 景気や環境に左右されやすい航空業だからこそ、焦ってもうまくいかない。変化の中でも安定し、生き延びられる体力を蓄える時期に来ている。国内線にも増やせる余地のある路線はたくさんある。お客様と社員の満足度の向上、そして定時性を高めれば、どの路線に出ても競争力があるはず。海外路線も視野に入れ、機材を増やす予定だ。再上場も3年後、オリンピックまでには実現したい。

 

[ Dragon Point ]

スカイマークでは大手航空会社ともLCCとも違うアイデンティティを確立するため、新しい取り組みにも力を入れている。一つ目は全国主要空港発着の強みをいかした法人専用システム「SKYビジネス」。契約企業限定の価格と、ご予約便出発前のキャンセル・変更の手数料が無料である。もう一つは就航地域との共生。機内で神戸ワインなどの就航地域の特産品を紹介・販売している。


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スカイマーク株式会社
代表取締役社長 市江 正彦
東京都大田区羽田空港3-5-10
ユーティリティセンタービル 8階
http://www.skymark.jp/ja/

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